やさしい味つけと外はカリッ、中はしっとり。
お店のようなフライドチキンを、お家の道具で気軽に作れるレシピです。
はじめてでも迷わないように、温度や時間は“範囲”でご案内します。
忙しい日でも取り入れやすい前日仕込みやエアフライヤーのコツもまとめました。
さらに、買い出し〜後片づけまでの手順をシンプルに整理し、洗い物が増えにくい流れや小さなお子さま向けの辛さ調整もご紹介。
節約しながら満足感を出すポイントも入れているので、料理が得意でなくても安心して挑戦できます。
自宅で簡単に作れるケンタッキー風チキンの魅力

ケンタッキー風チキンとは?
“ケンタッキー風”は、カリッとした衣とふわっと広がるスパイスの香り、そしてジューシーな肉汁が魅力のフライドチキンを家庭向けに再現したもの。
お店と全く同じ配合ではなくても、ポイントを押さえれば満足感の高い味に近づけます。
自宅で作るメリット
原材料を自分で選べるので、塩分や辛さを調整できます。
アレルギーや好みに合わせてスパイスを控えたり、皮なしで脂質を調整することもできます。
なにより、できたてを家族とゆっくり楽しめるのがうれしいところです。
驚きの香ばしさの正体
香ばしさはスパイスの香り×衣のサクサク感×油温管理の三拍子。
衣を乾かしてから揚げたり、二段階の温度で仕上げるだけで、ぐっとお店の雰囲気に近づきます。
再現度を上げる基本原理
肉の保水:ブライン/バターミルク
塩と砂糖を溶かした液(ブライン)や、ヨーグルト・牛乳+レモン汁(即席バターミルク)に漬けると、保水とやわらかさがアップ。パサつき防止に役立ちます。さらに、
- 基本の目安:水200mlに塩小さじ1(5〜6g)+砂糖小さじ1(3〜4g)。
30分〜2時間で十分、前日から漬ける場合は塩分を少し控えめに。 - 乳成分の働き:ヨーグルトや牛乳+レモンの軽い酸味でタンパク質がほぐれ、しっとり感が続きます。
においが気になるときは、にんにく少々やローリエを加えてもOK。 - 漬け上がりのコツ:取り出したら表面の水分をよく拭き取る→粉がしっかり密着して衣はがれを防ぎます。
直塩派は、肉重量の0.8〜1.2%を目安に薄く振って15分休ませても◎。
衣の構造:粉と膨らみ
薄力粉にコーンスターチと少量のベーキングパウダーを合わせると、軽くてザクッとした食感に。
- 配合の幅:薄力粉:コーンスターチ=3:1〜2:1。
スターチ多めで軽く、薄力粉多めで香ばしく。 - 膨らみの仕組み:ベーキングパウダーは粉重量の0.3〜0.5%が目安。
入れすぎると苦味や粉っぽさの原因に。 - 準備のひと手間:粉は一度ふるう→ダマを防ぎ、均一に。
湿粉(薄い糊)をまとわせてから乾粉を押し付け、5〜10分休ませて乾かすと、ゴツゴツした衣がつきやすくなります。 - 置き換えアレンジ:米粉を一部置き換えるとより軽い食感に。
香り系スパイスは粉側に混ぜるとムラになりにくいです。
加熱設計:低温→高温
最初は160℃前後で中まで火を通し、仕上げに180℃前後で短時間。
もしくは低温で一度揚げ→休ませ→高温で二度揚げでもOKです。さらに、
- 時間の目安:骨なし4〜6分→2〜3分休ませ→高温で1〜2分。
骨つきは6〜8分→3〜5分休ませ→仕上げ2〜3分が安心。 - 油温チェック:パン粉や衣をひとつまみ落とし、細かい泡が軽やかに立てば適温。
投入は少量ずつで温度の急降下を防ぎます。 - 休ませの意味:取り出して網に置くと蒸気が逃げて衣がベチャつきにくく、キャリーオーバーで中心まで熱が届きます。
二度揚げの合間は最低2分置くと効果的です。
必要な材料と道具

基本の材料一覧(2〜3人分)
- 鶏肉:もも/むね合計500〜600g(骨なし)
- 漬け液:牛乳150ml+レモン汁小さじ1(またはプレーンヨーグルト100g)
- 塩:小さじ1/2、砂糖:小さじ1/2
- 衣(基本):薄力粉120g、コーンスターチ40g、ベーキングパウダー小さじ1/2
- スパイス:後述テンプレからお好みで
- 揚げ油:適量(鍋の深さ1.5〜2cmでも可)
調理に必要な道具
温度計があると安心。網付きバット、キッチンペーパー、トング、ボウル、タイマーを準備しましょう。
手が小さめでも扱いやすい中サイズのトングがおすすめです。
代用品の紹介
バターミルクは牛乳+レモン汁で代用可。
コーンスターチがなければ片栗粉でもOKですが、食感はやや重めになります。
部位別の選び方と火入れ時間の目安
骨なし派/骨つき派
初心者さんには骨なしが扱いやすく均一に火が通ります。
骨つきは旨みが濃い反面、中心まで熱が届きにくいので低温→高温を丁寧に。さらに、
- 皮あり/皮なし:皮ありはジューシーで香ばしさアップ。
油はねが心配な方は、皮を軽くフォークで刺しておくと縮みを抑えられます。 - 部位の個性:手羽元・手羽中は食べやすくお子さまにも人気。
ドラム(骨付き)やサイ(もも角切り)は食べ応え重視に◎。 - 漬け時間の調整:骨つきは味が入りにくいので、骨なしよりやや長め(+15〜30分)を目安に。
塩気が強くなりそうなら塩分を少し控えめに。
火入れの目安
同じ厚みなら、むね:やや短め/もも:やや長め。揚げ上がりの目安は、串を刺した汁が透明で押すと弾力が戻る状態。
数分の静置(休ませ)で中心まで熱が行き渡ります。加えて、
- サイズ基準:厚み2.5〜3cmを目安にそろえるとムラが出にくいです。
- 見た目と音:泡が細かく軽くなり、衣の色が薄きつね色→きつね色に変化。
取り出すときに「カリッ」とした触感が出ればOK。 - 骨つきのコツ:最初はやや低温でじっくり→休ませ→仕上げ高温。
骨の周りは冷めやすいので、仕上げ後に1〜2分静置すると安心です。 - 温度計があれば:中心温度をチェックできると失敗が減ります(差し込みは骨を避け、最も厚い部分へ)。
食べやすさの工夫
お子さま向けは一口大、大人向けはフィレサイズに。厚みをそろえると失敗しにくいです。さらに、
- むね肉は繊維を断つ方向にカットすると、しっとり噛み切りやすくなります。
- 厚みが不揃いなときは開き(観音開き)にして平らに。火入れが均一になり、衣もはがれにくくなります。
- お弁当用は小さめにカットして二度揚げ短時間仕上げ。朝は再加熱だけでサクッと復活します。
スパイス配合テンプレ3種(子ども/標準/スパイシー)

下記は衣200g(薄力粉+コーンスターチ合計)に対する目安です。
A:やさしい(子ども向け)
塩4g、ホワイトペッパー1g、ガーリックパウダー1g、オニオンパウダー1g
B:標準(香りしっかり)
塩5g、ホワイトペッパー2g、ガーリック2g、オニオン2g、タイム0.5g、オレガノ0.5g、セロリソルト0.5g
C:スパイシー(ピリッと)
塩5g、ブラックペッパー2g、ホワイトペッパー1g、ガーリック2g、オニオン2g、パプリカ2g、カイエン0.5〜1g
ケンタッキー風チキンの作り方(基本手順)
- 下ごしらえ:ひと口大に切り、塩・砂糖・牛乳+レモン汁(またはヨーグルト)で30分〜一晩漬ける。
揚げる前に表面の水分を軽く拭く。- 肉は厚みをそろえると火が均一に入ります。
- 時間がない日は、フォークで数カ所ピケ(穴あけ)すると時短に。
- 香りづけににんにく少々/ローリエを入れてもOK。
- 衣づけ:湿粉→乾粉(しっかり圧着)。
余分な粉は優しくはたく。5〜10分休ませる。- 乾粉はボウルの底で押し付けるように密着させると、ザク感アップ。
- 休ませ中に表面がほんのり乾くまで置くと、揚げたときにはがれにくいです。
- ゴツゴツ衣にしたい時は、乾粉に漬け液を少量たらして粒状にしてからまとわせます。
- 一次揚げ(160℃前後):泡が細かくなり、色がつき始めるまで4〜6分。
取り出して2〜3分休ませる。- 目安:肉を入れた直後は触らず30秒待ち、衣が固まってから裏返す。
- 同時投入は3〜4切れまで。鍋が小さい場合は2切れでも十分。
- 取り出したら網の上で休ませ、蒸気を逃がしてベチャつきを予防。
- 二次揚げ(180℃前後):色と香りが立つまで1〜2分。
網で油を切り、仕上げにお好みのスパイス少々。- 泡が軽くなり、カリッという音が出るのがサイン。
- 仕上げに温めたオーブン/トースターで1〜2分だけ追い焼きすると、さらにサクッと長持ち。
- 盛り付け&仕上げ:キッチンペーパーより網+バットに置くと衣が湿気にくい。
塩/スパイスをごく少量追いがけし、熱いうちにどうぞ。- お子さま向けは追いスパイス少なめ、辛口派はブラックペッパー+カイエンをひと振り。
ワンポイント:鍋は入れすぎない(1回に3〜4切れ)。油温の急降下を防げます。
追加のコツ:投入前に菜箸で油面を軽く混ぜると温度ムラが出にくく、きれいに揚がります。
揚げ方のバリエーション(鍋/深型フライパン/電気フライヤー)

- 鍋:油は少なめでもOK。
深さ1.5〜2cmでも揚げ焼き可能。途中で上下を返します。
小さめの厚手鍋(直径16〜18cm)だと温度が安定しやすく、少量ずつ数回に分けると失敗が減ります。
予熱は目標温度より+5℃高めにして、投入後の温度ドロップをカバーしましょう。- 油面が静かになったら火力を少し上げて温度を戻す/泡が激しすぎたら下げる、の微調整がコツ。
- 斜めに傾けて片側を深くし、油をスプーンで回しかけると均一に色づきます。
- フタは基本NGですが、油はねガードを使うと安心。
- 深型フライパン:表面積が広く、温度が下がりやすいので投入点数を少なめに。
底が厚いものを選ぶと温度の戻りが穏やかで扱いやすいです。
IHは中火〜中強火で、途中で場所を入れ替えるとムラが減ります。- 油量目安:直径26cmで600〜800ml。浅い場合は揚げ焼き→返して両面を色づけ。
- バスティング(スプーンで熱い油をかける)で上面もカリッと。
- 仕上げはコンロを一段強めにして30〜60秒だけ高温域を作ると香ばしさUP。
- 電気フライヤー:設定160℃→180℃の二段階が簡単。
説明書の最大量を守りましょう。
バスケットは7〜8割までにし、重ならないよう広げます。
機種によって実測温度に±5〜10℃の誤差があるため、最初の1回は時間を短めにテストして調整を。- 二度揚げの目安:160℃で4〜6分→休ませ2〜3分→180℃で1〜2分。
- 連続運転すると温度が下がりやすいので、バスケットを空にして30〜60秒温度を戻すと安定。
- こまめにカス取りをして油の劣化を防ぎましょう。
失敗しない温度管理とトラブルシュート
- 中心が赤い:低温(160℃)で1〜2分追加→3分休ませ→様子を見る。
- 衣がはがれる:水分拭き取り・休ませ時間の見直し。鍋に入れた直後は触りすぎない。
- ベチャつく:投入しすぎによる油温ドロップが原因。人数分を数回に分けるのがコツ。
冷蔵・冷凍保存と再加熱のベストプラクティス

- 冷蔵:粗熱が取れたら網の上で冷まし、翌日まで。再加熱はトースター200℃ 5〜7分。
- 冷凍:一次揚げ後に粗熱→バットで急冷→1個ずつラップ&保存袋。1か月目安。
- 再加熱:オーブン200℃ 10分/エアフライ180℃ 6〜8分が目安。様子を見て1〜2分追加。
よくある失敗と対処法
- 衣が均一につかない:湿粉の濃度を少しだけ濃くし、押しつけて密着。
- 味が強すぎ/弱すぎ:塩分は粉重量の2〜2.5%を目安に微調整。
- 油臭さ:油が濁る、泡が消えにくい時は交換サイン。早めのろ過と入れ替えで解決。
よくある質問(FAQ)
Q. 保存はどうすればいい?
- 冷蔵は翌日まで、冷凍は1か月目安。
再加熱はトースター/オーブン/エアフライのいずれかで高温・短時間がコツです。
Q. 味付けを変えたい
- 子ども向けは胡椒少なめ、ハーブを優しめに。
大人向けはブラックペッパーとカイエンで香りと辛みを足しましょう。
Q. ヘルシーにできますか?
- 皮を外す、エアフライを使う、むね肉に変えるなどで脂質を調整できます。
調理タイムライン(前日〜当日)

- 前日午前:買い出し・下準備(鶏肉の余分な脂を取り、スパイスと粉を計量)。
バットや網、保存袋を用意。 - 前日午後:ブラインまたはバターミルクに30分〜一晩漬ける。
衣ミックスを作って密閉し、冷蔵庫へ。撮影予定があればカットリストも確認。 - 前日夜:取り出して水分オフ→必要なら一口大に整える。
ラップをせずに30〜60分 風乾すると衣が密着しやすくなります(におい移りに注意)。 - 当日午前:衣づけ準備(湿粉→乾粉)。
鍋と油をセットし、温度計・網付きバット・トングを手元に。
付け合わせ(コールスロー等)もこのタイミングで仕込み。 - 配膳30分前:油を160℃前後へ予熱→一次揚げ4〜6分→2〜3分休ませ。
人数が多い場合はここで全量の一次揚げまで済ませるとラク。 - 直前:油を180℃前後に上げて二次揚げ1〜2分→網で油切り→お皿へ。
お好みで追いスパイスをひと振り。 - 提供中:第2バッチ以降はオーブン100〜120℃で軽く保温。
長時間は乾きすぎるので10〜15分を目安に入れ替えます。 - 食後:再加熱用は一次揚げ止めで冷蔵/冷凍へ。
油はこし紙でろ過し、冷めたら容器に移して保管または自治体ルールに従って処分。
まとめ
- 下味と衣と温度、この3つを整えるだけで再現度が大幅アップ。
- 好みに合わせてスパイス配合を±5%で微調整。
- 前日仕込みやエアフライを活用して、忙しい日でも無理なく楽しみましょう。

